今日のgood & new
今日は蒸し蒸しして暑い日だった。
帰ってきてからも、家の中は蒸し風呂状態で、今年初めてエアコンをつけた。
今まではがんばって、裸のまま扇風機の前に仁王立ちして、汗を飛ばしていた。
今日はそれでも我慢できなくて、エアコンの力を借りた。
冷たい空気がひんやりと肌に感じると、なんとも言えない幸せを感じる。
カフェミュージックをかけ、食事の支度に取り掛かると、なんとも言えない充実した幸福な気持ちになる。
お金持ちになったり、出世したりとは違う、肌で感じられる「今ここ」の幸せだ。
今日読んだ本が、そんな地味なだけどだれもが感じる幸福感を書いたものだった。
「危うく一生懸命生きるところだった」を読んで
この本は、韓国人のハ・ワンさんが書いたエッセイ集だ。
Amazonでも高評価で、ぼくの持っている本でも1年で10版目のベストセラーだ。
作者は脱サラしたイラストレーターで、韓国人特有の出世競争から外れた人生を送っている。
学生の頃は、美大を受験し、有名大学に入ることができず、3浪をし、さらに諦めきれず他大学を退学して、やっと入学することができた。
兵役を経て、社会人になったのは、30歳の頃。
そのあと3年間も無職のまま過ごし、先輩のつてでやっと新卒として入社できても、給料が安いため、イラストを描いてダブルワークをして過ごす。
お金のために働くことが嫌になって、脱サラし、フリーのイラストレーターになるが、バリバリ仕事をするわけでもなく、営業活動をするわけでもなく、嫌な仕事は断っていたらしい。
普通のサラリーマンとしての人生を捨てて、自由を得ることで、自分の幸せとは何かが変わってきたようだ。
彼はいろいろなものを諦める。
お金持ちになること、結婚をして子供を作り、家庭を気づくこと、ステイタスとなるような高級品を買うこと。
普通の人が幸福の象徴として求めるものを諦める代わりに、孤高という自由を手にしていく。
そして、成功だけでなく、失敗することをも許容して、失敗の上に人間は成長していくと考えるようになる。
何もしない時間の至福、無駄を敢えてするなんとも言えない幸せ、結果ではなくその過程を楽しむ余裕。
そんな彼独特な人生観を、ウイットに富んだイラストと共に淡々と描きつなられていく。
若い頃のぼくなら、読んでもその奥に潜む奥深さを感じることができなかったと思う。
40才すぎて、人生は思うようにいかないし、若い頃になんとなく夢見てきた生活とは縁遠いこともわかってきて、この本の良さが身に染みてくる。
人は40歳が一番幸せ曲線がさがり、50歳くらいから徐々に上がってくると証明されている。
40歳の著者は、不幸せに対して一番敏感な時期で、どうしたら自分はみんなが追い求めているような幸せを手に入れられるのだろうか、悩んだんだと思う。
その回答がこの本だ。
仕事のことやお金のことは、悩むことでもない
妻が出ていく前は、住宅ローンを返すことで頭がいっぱいだった。
どうやったら支出を抑えて、副業をして収入を増やすかをいつも考えていた。
妻には無駄な買い物を毎月やめてほしいとお願いしていた。
妻は生活に必要なものばかりだと主張して、冷戦状態だった。
出て行った理由は、生活に必要なお金の価値観も大きな理由だった思う。
今は、お金は使うものであって、お金で不幸せになるものではないと思っている。
必要なら使えばいいし、なくなったらなくなったで、そのとき節約するか考えればいい。
一番大事なのは、家族とのつながりだったり、自分の今の状態を幸せに感じることだと思う。
それには、この本の著者のように、いろんなものを手放す必要がある。
今、いわゆる普通に生活することに悩んでいる人がいるならば、この本を読むと気持ちが楽になると思う。
ぼくが、クーラーをつけてカフェミュージックを聴くだけで幸せな空間を感じられたように慣れると思う。